【小児科医に聞いた】ベビーバンドの効果と重要ポイント【ヘルメット治療】

【ヘルメット治療】小児科医に聞いたベビーバンドの効果と重要ポイント 育児・知育

ヘルメット治療(頭の形矯正ヘルメット)は、赤ちゃんの斜頭症や短頭症の改善を目的とした治療法です。

また、ベビーバンドとは頭の形矯正ヘルメットの1つです。

本記事では、私が実際ベビーバンド検討時に頭のかたち外来の小児科医から聞いた頭の形に関すること、ベビーバンドの特徴や効果など、気になるポイントを詳しく解説します。

ヘルメット治療を検討中の方に役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

 

ヘルメット治療しない場合、頭の形が丸くなる可能性はある?

よく「頭はこれから丸くなる」と言われますが、5~10年前の論文で中等症以上の改善は難しいことが明らかになっています。

重症の場合、家庭でのケアによって中等症程度まで改善することはありますが、完全に正常な形に戻ることはほぼありません。

頭の形をしっかり治したい場合、生後5ヶ月以上であればヘルメット治療(頭の形矯正ヘルメット)が最適な選択肢となります。

 

 

ヘルメットがずれることはあるか?

ずれることはあります。

ベビーバンド(BabyBand)の場合、頭との設置面積を増やすためにスポンジを追加して調整しますが、完全に防ぐことはできません。

そのため、当院でベビーバンドを使用して治療した約3割の子どもに摩擦によるスレが見られることがあります。

 

ヘルメット内側のスポンジは先生が調整してくれるの?

私(医師)がナースに指示を出し、必要に応じてスポンジを取り除きます。

ずれがないか確認しながら、通常1ヶ月程度でスポンジはすべて取り除かれます。

その後は、頭の成長による改善を1ヶ月ごとに確認していきます。

 

どのくらいの子がヘルメット治療を受けているか?

現在、当院では140人の子どもが治療を受けており、そのうち95%は正常な頭の形まで改善しています。

5%は軽症までの改善にとどまっています。

中等症以上の改善が見られなかった子はいません。

感想

ベビーバンドはヘルメット治療開始できるのが生後5か月までです。

低月齢時にしか始められないため、正常な頭の形まで改善する子が多い印象を受けました。

他のヘルメット治療メーカーより圧倒的に低月齢から始める子が多いため、他のヘルメット治療メーカーと成果を比べる際には始める月齢での結果も考慮するのが大事と考えます。

 

重症・中等症の子どもはどのくらいの割合でヘルメット治療を受けているか?

当院にきて頭の形を測定し、重症だった赤ちゃんのうち約70%、中等症だった赤ちゃんのうち約20~40%がヘルメット治療しています。

 

改善のスピードについて

改善のスピードには個人差があります。

最初に急速に改善するケース、最初は変化が少なく後から大きく改善するケース、赤ちゃんの頭の成長と共に改善していくため様々です。

 

耳の位置について

耳の位置に関しては、国際的な測定基準は存在しません。

斜頭症(頭の後ろが斜めになるゆがみ)の影響でずれていることがあります。

ヘルメット治療によって多少の改善が見込めますが、短頭症(絶壁)の要素が強く耳の位置が異なる場合は大きな変化は期待しにくいです。

 

ヘルメットと向き癖対策の関係

ヘルメット治療中に向き癖対策をしてもヘルメット治療の効果が大きく変わることはありません。

ヘルメットは本来、頭の成長するスペースを確保する設計になっているためです。

 

ヘルメットを嫌がる子はいる?

初日は嫌がる子もいますが、2日目からはほとんどの子が問題なく装着しています。

慣れるために徐々に装着時間を延ばすよう指導されますが、2日目から23時間着用できる子も多いです。

 

ベビーバンドのメリット

  • 価格が比較的安価でコストパフォーマンスが良い
  • 調整がしやすい(クリニックでの調整が可能)
  • シンプルなデザインで扱いやすい

 

ヘルメット治療の管理について

ヘルメット治療することにしたら、まず機械で頭の形を計測してオーダーでヘルメットを作成します。

医師が行うのは、「ヘルメットの適合や皮膚トラブルの確認」です。

頭の形の効果に関しては、ヘルメットと赤ちゃんの成長に任せる部分が大きいです。

 

ヘルメットの装着期間

頭の成長スピードによりますが、平均5ヶ月程度の装着が推奨されます。

成長がゆっくりな子どもは8ヶ月ほど装着することもあります。

 

ヘルメットのマジックテープについて

トラブルが発生した場合、圧力を調整するためにマジックテープを緩めることがあります。

 

ベビーバンドを選ぶときの重要ポイント

ヘルメット治療の中で、もっとも安いのはベビーバンドです。

ベビーバンドの取り扱い施設は一番多く、歯の矯正と同じような形で、ヘルメット治療も少しずつ気軽にできるようになってきました。

短頭症(絶壁)のみの治療は苦手であることも耳にしたことがあります。

取り扱われてからはまだ5年も経っていないはず。

我が子の頭の形で同じ月例からスタートした場合どのくらいまで頭が丸くなるのか担当の先生に聞いて納得したうえでヘルメット治療開始してくださいね。